(1) ` (a+b+c+d)(x+y+z) ` を展開したときの項の個数

実際に展開してみても解けるけど、時間がかかるので
「展開とはどのような作業なのか」をよく考えて、個数を計算しよう。

展開するときは必ずそれぞれのカッコ内から
一つずつ文字を選んでかけているよね。
つまり、一つ目のカッコでa~dのどれかを選び、
二つ目でx~zのどれかを選ぶ、
これらの組合せを全通りやって羅列するのが展開だね。
一つ目のカッコの文字の選び方が4通り、二つ目が3通りなので
` 4 xx 3 = 12 ` 個 //
展開とは、それぞれのカッコから要素を選んで組み合わせる(掛け合わせる)
という試行の全てのパターンを書き出すこと!
(2) ` (a+b)(c+d)(x+y) ` を展開したときの項の個数

展開という作業を(1)と全く同じように考えれば解けるはず。

普段は3つのカッコを一度に外すような計算はしていないけど
こちらも結局は「それぞれのカッコから何を選ぶか」という試行の
全パターンを列挙しているということに変わりは無いんだ。
それぞれのカッコの要素の選び方は、どれも2通りなので
` 2 xx 2 xx 2 = 8 ` 個 //
(3) ` (x^2+3)^7 ` を展開したときの ` x^6 ` の係数

(1)(2)と同じように考えたいけど、
今回は全てのカッコの中が同じなんだね。
` x^6 ` の係数ということは、
7個のカッコのうちから `x^2` を3回だけ選んだ場合の係数
が分かればいいんだ。

` x^6 ` の係数は、全てのカッコのうちから
`x^2` を3回だけ選んだ場合の係数なので
まずはそう選んだ場合の掛け合わせた結果を計算しよう。
全てのカッコのうちから `x^2` を3回、 `3` を4回選んだ場合の掛け合わせた結果は
` x^2 xx x^2 xx x^2 xx 3 xx 3 xx 3 xx 3 = 81x^6 `
次にそのような選び方がいくつあるかを考えよう。
7つのカッコのうち `x^2` を3回だけ選ぶ選び方は
` {::}_7C_3 = (7 xx 6 xx 5)/(3 xx 2 xx 1) = 35 `
つまり、 ` 81x^6 ` という項が35個出てくるということだね。
`x^6` の係数は、これら35個の `81` を全て足し合わせるので、
` 81 xx 35 = 2835 ` //
二項式を何乗かした ` (a + b)^n ` という形を展開したとき
それぞれの項を ` C ` を使って表すことを二項定理と呼ぶよ。
記号が沢山で難しそうに見えるけど、
やっていることはこの問題そのままだよ。
(4) ` (x/2-1/x^2)^9 ` の定数項の係数

定数項になるためには左の項と右の項を
それぞれいくつ選べばいいのかが分かればいいんだけど、
それが一目では分かりにくい問題だね。
左の項をa個選ぶ、と置いて式を立てて求めてしまおう。
` x/2 ` を ` a ` 個( ` -1/x^2 ` は ` 9-a ` 個)選んだときに定数項になるとする。
`x` の乗数に着目して、定数項になるためには `x` の0乗になればいいので
` x^a xx x^{-2 xx (9-a)} = x^0 `
` iff a + {-2 xx (9-a)} = 0 `
` iff 3a = 18 iff a = 6 `
` x/2 ` を6個( ` -1/x^2 ` は3個)選ぶと定数項になることが分かった。
後は(3)と同じく、まずはそう選んだ場合の
掛け合わせた結果を計算しよう。
` x/2 ` を6個選んだ場合の掛け合わせた結果は
` (x/2)^6 xx (-1/x^2)^3 = -1/2^6 `
次にそのような選び方がいくつあるかを考えよう。
9つのカッコから ` x/2 ` をちょうど6個選ぶ選び方は
` {::}_9C_6 = {::}_9C_3 = (9 xx 8 xx 7)/(3 xx 2 xx 1) = 84 `
これらを全て足し合わせるので、 ` -1/2^6 xx 84 = -21/16 ` //
何個選ぶか分かりにくい問題は、
選ぶ数をa個と置いて、aを求めることから始めよう。
つまり、 `x^ky^(n-k)` の項の係数は
`{::}_nC_k a^kb^(n-k)` になるということ。
もっと簡単にいうと、 `x^k` の係数は
`x` をk個選んだ場合なので、
その選び方 `{::}_nC_k` と、選んだときのそれぞれの係数
`a^kb^(n-k)` を掛け合わせているだけ。